Thursday, January 12, 2006

孤独砂漠

食い違い始めた歯車は一体何時になったら戻るだろう
噛み合わず軋む歯車はどれくらい待ったら戻るだろう
狂い始めたわたしの心死ぬまでに一度は戻るだろうか
気違い印を押されて干支一回り
必死に這い上がっても
崖は崩れ深海の無間闇に突き落とされた
朱に染まる天空に解き放たれた
黄砂の舞う砂漠に取り残された
誰かいませんか
水ありませんか
蜥蜴はいますか
蠍は如何ですか
問い掛けるこの声は無闇に無益に砂に埋もれ
何方からも何処からも応えなど返ってこない
此処は狂気の砂漠
わたしが支配するこの世に落ちた天
悠久の時間を過ごし
久遠の地平が広がる
円空の空は朱く焼け
誰もいないよう定めたわたしだけの砂漠
駱駝は死んだ
食ったから
毒蛇は生きる
友人だから
後は何も無い誰もいない
孤独地獄を選んだのはわたし自身
誰も傷付けたくなくて
誰も悲しませないよう
誰もわたしを見ぬよう
一人だけを選んだのはわたし自身
全責任とって仙人掌に刺されよう
何時か干乾び朽ちて何かの餌食になろう
少しは役に立てる?
もう許してくれる?
二度と泣かない?
黄砂が降るよ
微生物の屍骸が降るよ
人間達の戦争の粉塵が降るよ
全部吸い取って
この身で消化吸収し
浄化濾過分泌排泄し
この世上全土を肥溜めにしよう
大丈夫わたし一人でするから
誰も何もしないでいい
わたし一人が汚物食い血反吐飲んで痰を舐め
地球を洗浄してあげる
この孤独砂漠は其のためにある
狂って汚い猥褻物を金に変える
濁り淀んだ泥沼を清流に変える
煮え滾った大気を青空に変える
そのための貯汚処なのだから
わたし一人狂う
狂いこそ世の常だから
わたし狂い
世の狂いが
正常になる
それでいいじゃない
死の灰が舞い降るこの地球
救えるのは正常でなく
狂気乱恥気純粋無垢な狂気
この孤独砂漠で
わたし一人瑠璃星を浄化する

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