Thursday, January 12, 2006

いえないこころ

悲しみ背負い家路を辿れば
遥かに輝ける憩いの街の灯
別れ胸に秘め此の道行けば
遠くに輝ける愛しき君の瞳
心には冬の凪
束の間の安眠
君の寝顔に心残して
君の寝息に心引かれ
君の寝姿を瞼に焼く
今君にキスしたなら
旅立ちが一日伸びる
だから何も言わずに僕は家を出る
さよなら
一言が言えなくて
愛してる
一言も言わないで
冷たさだけ残して隙間風に君任せて
僕は此処発つ
心に纏い付く鎖を解けば
刺す寒風を貫く如き月光
歳老いた星々
年重ねる自分
見比べては其の小ささを嘆く
君の寝顔携え僕は出立する
何処へとも知れぬ当て所無きこの道
所在地は星で測る
彼の星が右なら北
其の星が傾けば西
此の星が消ゆは南
何の星が流るは東
心許無い
心許せぬ
心残して
心捨てる
今から向かう場所は都会
人が死んでも泣かない所
人を愛すより憎むべき処
だから君の面影だけ連れ無言で立ち去った
許せとは言わない
詫びすら言えない
この胸は癒えない
此処には居得ない
逃げ帰った道をまた行く
この身勝手は自分らしく
君の泣き顔は志雄らしく
だから無言で僕は旅立つ
心の中で泣きながら
君より激しく泣きながら
言い出しそうな言葉飲み込む
傍にいていえない心は
月影任せ
夜風任せ

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