悲しいね
悲しいねひとりは泣いても誰も気づかない
悲しいね大勢でも
泣いたら皆が馬鹿にする
如何すればこの悲しみを追いやれる
人込みの中で一人で死ぬ
そんな人が大勢の街では
落涙は禁物
弱音は禁句
辛い痛い痒いと喚いても誰も何もしない場所だよ
前を向いて生きることは精一杯の自己防衛だから
空の強がりと負けん気は目一杯の正当防衛だから
今日も走る
バイクのタイヤ道を刻み
焼けたアスファルトの上
長くなった我が影落とす
今この瞬間世界が終わっても
今この影は地球に焼き付ける
生きた証歪んだ証狂った証全部わたしだった証
抜け落ちる記憶
欠けていく理性
減っていく感情
怖いのは自分でなくなること
死ぬまでわたしでいたいのにどんどん馬鹿になっていく
きっともっと脳は滑らかになり
辛さも悲しさ苦しさも全部忘れる
其れが何より怖い
今有る心は唯に悲しく徒に悲しい
精神障害者の苦痛
誰かに分かって欲しいけど
誰にも味わわせたくないよ
悲しいねひとりは
それでも一人でいい
記憶がなくなればどうせ永遠に一人
悲しいねひとりは
楽かもねひとりは
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