天運
夫れ鶴は沐浴せざるも而も白く
然う烏は日々黔めずも
而も黒し
其れを天運となすならば
我如何にか生きむ也
此れ黄色き肌は何時にか白ばむ
此が黄色き髪は何時にや黒染む
生来なるとて耐え難き恥辱
何処にても異人なるかと問われ
彼方にても同郷かと歓待受けず
其処にても旅愁付き纏い離れず
此処にても望郷の念醒めやらず
白は白
黒は黒
黄は黄
赤は赤
斯くも割り切れず
人間は生きるのか
何故に有るがまま受け入れざらむか
生まれもつものでいい
生まれもつが最もよい
後白河院の時代にては
異邦の苦慮無かりしか
太陽の恵みの光り受け
大気の恩恵の酸素吸い
空を地を海を賛讃して
この地上を生きる
足りぬのか其れだけでは不足するか
生を否定すれば死は無し
死を疎んじれど老は訪れ
老を避けるなら成長無し
斯くも悲しい
人の性
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