Thursday, January 12, 2006

お帰りなさいませ

今日一日今一時を喜び楽しみ過ごす
其れは寂滅為楽を説くあなた様には罪悪でありましょう
喜怒哀楽を愛すわたくしには祝福でありまするが
世捨て
人捨て
山へ逃げた身は
此が草庵似合います
けれど時折吹き来る秋の風が
山奥の侘しさ曝して
世間様に申し上げる
其処は賑わしいかと
此処は寂漠たるかと
彼方は艶や楽しかと
其方は婀娜なめりと
此方は苦悩満つだけ
羨むべきは何方なるか
私には分かりませぬ
過ぎにし方も
今在る現世も
未だ来ぬ方も
総じて愛しく妄執に憑かれておりまする
我が身をば恥と思われるか
あなたは手文も寄越さずに
我一人此処にてお待ち申し上げますから
如何な姿にてもお帰り下さいませ
なふくつみ給いそ
ゆめ悲しみ給わず
若しお迷いならばお迎えに参ります
嗚呼あなた
斯様な無様を笑ってください
早笑って掻き抱いてください
きつくきつくもう二度と離れぬよう
時代にても放せぬよう
添い遂げましょう
あなたお早いお帰りを
この身が朽ちてしまいます
この世が終えてしまいます
早く早く
お帰りなさいませ

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