氷心
一片の氷心は玉壷の中にどれだけ綺麗に飾っても
虚飾の鍍金は必ず剥れる
必死に貫いた嘘も
化けの皮が剥がす
そんなこと知っていた筈なのに
魚心水心氷心
抱き隠し遂せると想っていた
突き通せば嘘も誠になる
古い諺を信じてしまって
君に嘘を吐いた
君を裏切った
君を欺いた
君の心が破れた音を聞いた
繕うにも針も糸も無い
切り裂いた君の心をまた針で刺すなんて出来ない
逃げてるねわたし
逃げないね君
だから傷付け合う
わたし達の心凍る
必死にくっついて一緒に融けようよ
互いの血を混ぜて肉を捏ねて纏めて一つの何かになろう
だから赦して
もう一回だけ
やっと開いた目には
何処へ視線を移しても
其処に此処に映る
君が
君の眩しすぎる残像が
随所に焼きついて離れない
この氷の心と心
氷解させて一つになろう
もう一回
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