歪み往く街
気だるさは日が昇るのと同じ速度で寂しさは日が沈むより早い速度で
この身を包む
曙は容赦無く訪れ
今日一日の予定を廻らし
かなりうんざりして
それでも無理矢理に壊れた身体と精神を動かす
真昼の陽射はまるで拷問
蓄積した疲れを焦がす
焦げ痕の傷が肌を這い
君の爪跡に紛れる
夕暮れは孤独を誘い
お前は放逐者だと告げる
和やかな夕餉も賑わしい酔っ払いも
わたしとは無縁の幸せを表徴する
行き場無く家路辿り
誰も待たない暗い部屋につく
このまま死んだら
死後どのくらいで
発見されるだろう
死にたがりの虫が脳髄から湧き出て
涙が零れるより先に胸に溢れ出る
ネオン舞う夜空に星は無く
ひとりの部屋に慰めは無い
ただ圧倒的な寂寥が現実を忘れさせてくれる
これは幸せ?
其れが不幸?
寂しさに慣れた心は幸福を求めなくなり久しい
こんな生き方が蔓延する街では一時凌ぎの嘘が一番の恩恵
何て虚しい
でも優しい
名も知らぬ男との夜遊び
これも愛と呼ぶなら
世界は愛に満ちている
狂ったわたしに似合う狂った世界
街中が歪んで見えるのは
わたしの所為じゃない
現実を直視する
狂気の所為
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