冬空
冬空にたな引く薄雲はあの日わたしが撒いた
君の残骸
拾うにも
脆く崩れ
形無くし
君は現れた
ヤケになり
寄せ集めて
拳から風に乗せた
君の遺骨の粉末は
早春の風に運ばれ
海へ届き底へ沈み
今もきっと
大好きだった海の中で
潮と流れ
世界中に
旅しているね
君の望みは叶ったの?
もう安楽になったの?
何故わたしを遺した?
どうして一人逝った?
答えのない問いかけは
あの日の位牌と同じく春を孕む風に飛ばされ
世界中の君に届くよね
やっと気付いた
答えはいつでも
わたしを包んで
Yesと繰り返していた
これまでも
これからも
ずっときっと
君はわたしを包んでくれる
そう信じて仰いだ空は
遅れ始めた日の入りが
淡い紅を微かに残して
来る春の輝きを
僅か兆していた
春遠からず
冬去りぬ頃
1 Comments:
お久しぶりです。
http://blog.livedoor.jp/mizuki_nagaya/
Livedoorのほうはやめたんですね。心配しました
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