Tuesday, January 31, 2006

冬空

冬空にたな引く薄雲は
あの日わたしが撒いた
君の残骸
拾うにも
脆く崩れ
形無くし
君は現れた
ヤケになり
寄せ集めて
拳から風に乗せた
君の遺骨の粉末は
早春の風に運ばれ
海へ届き底へ沈み
今もきっと
大好きだった海の中で
潮と流れ
世界中に
旅しているね
君の望みは叶ったの?
もう安楽になったの?
何故わたしを遺した?
どうして一人逝った?
答えのない問いかけは
あの日の位牌と同じく春を孕む風に飛ばされ
世界中の君に届くよね
やっと気付いた
答えはいつでも
わたしを包んで
Yesと繰り返していた
これまでも
これからも
ずっときっと
君はわたしを包んでくれる
そう信じて仰いだ空は
遅れ始めた日の入りが
淡い紅を微かに残して
来る春の輝きを
僅か兆していた
春遠からず
冬去りぬ頃

1 Comments:

At Wednesday, February 01, 2006 8:04:00 PM, Anonymous Anonymous said...

お久しぶりです。

http://blog.livedoor.jp/mizuki_nagaya/

Livedoorのほうはやめたんですね。心配しました

 

Post a Comment

<< Home