Wednesday, January 25, 2006

m隣の温もり

たとえば毎晩電話しても
たとえば毎朝声掛けても
たとえば毎日写メール送っても
擦れ違うだけの隣にいた人には敵わない
傍の温もりにはもう勝てない
隣の体温には負けてしまう
あんなに確かめ合い分かち合った君の温かさは
顔も見ず名も知らぬ誰かのもの
今はもう隣の誰かには勝てない
わたしの付けた
君の背中の爪痕も
誰かとぶつかった
痣に埋もれて消えてしまう
わたしが擦った君の冷えた手足を
今日は隣に座った誰かが暖める
もうわたしは遠い女
傍にいる誰かには敵わない遠くの女
声を聞かせても
画像を送っても
声を限りに君の名を叫んでも
もう届かない
君の温もりは他の誰かのもの
素性を知らぬ誰かのもの
何も知らぬ誰かと分け合う
わたしには届かない
君には伝わらない
確かにわたしのもだった
君の温もり
もう届かない伝わらない
わたしの体温
重いだけが空回り
寒風が吹き散らす
木枯らしの中
君の声も温もりも
もう他の誰かのもの

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