Thursday, March 02, 2006

r恋すれば紅鬼になる

口紅を薄く塗り鏡をのぞくと少女に戻ったわたしが映っている
恋する気持ちは夕暮れの空と同じ色
薄い紅色と淡い茜色が混ざり合い
地平線へ流れ落ちて果敢なく闇に消えた
誰かを愛すれば女は時空を旅して綺麗になる
年齢も距離も無関係に誰かを愛すれば鬼にもなる
其れは醜くて見苦しくて哀れだけど
其の汚さの分だけ女を強く汚く磨く
あなたの腕の温もりと強さは
たとえわたしが死んで焼かれても消えない
形振り構わず夢中になる愛をもう一度味わいたい
相手はあなたでなくてはならない
あんなにも激しく誰かを愛した時間は
最初で最後の天国の至福と地獄の責め苦
全てを捨てる覚悟で立ち向かう愛憎ならあなた以外しかない
愛すると同じくらい愛されたいと願うのは重荷でしょうか
其の真実に気づきもせず
わたしはあなたを求めた
だから二人は今別々に離れてしまった
あなた思えば夜は長く
時間は朝を通り過ぎて
昼を短くしてまた長い夜が訪れる
わたしの心があなたに伝わるでしょうか?
こんなに長い夜は悪女になってしまいます
あなたが必死に守る幸せが壊れてしまえばいいと願ってしまいます
今も忘れられないあなたの体温息遣い指先キスの記憶が
わたしをいっそう責め立てる
わたしは神に邪悪な祈りをささげてしまう
わたしは悪魔に聖なる呪いを求めてしまう
わたしはあなたを
愛しているのか恨んでいるのか憎んでいるのか
何も分からないけれど
唯一実感するのは今もなお愛していることだけ
決して過去形じゃなく現在進行形で愛している
わたしはあなたを待っている
わたしはあなたの不幸を願っている
あなたがどん底の不幸に落ちてわたしの元へ戻るよう心から祈っている
恋をすると女は鬼になる
美しく哀れで醜い鬼になる
真っ赤な唇を持った鬼になる

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