Saturday, February 11, 2006

w誰が為

世界で一番大きな大陸の長靴で
世界で最も幸せな大会が始まる
鍛え抜いた身体と磨き上げた技とがぶつかり合い競い合う
でも今は皆笑顔
やがては流される涙も皆平和の象徴富の証明
同じ緯線の経度を下り
赤い海を越え黄色い大地に着いたなら其処は
飢渇と残虐が漲る場所
同じく鍛え磨いた腕で
流血と放火を求め争う
氷上のプレイヤーの筋肉は役に立たず益無く
乾いた大地を血で潤して
飢えた胃袋を肉で満たす
美しい技は要らないしフェアプレイは無駄だし笑顔を油断を招く罠
拾う骨も砕け滾る血は地に還りただ死灰だけが舞い踊る場所
同じ緯度なのに少し経度が変わればこんなにも鍛えた筋肉の使い道も変わる
富めるものはより美しく
窮するものはより穢れて
争い戦い
手にするのは名も知らぬ敵の血か金や銀のメダルか
嗚呼歌は本当だった
誰も被害者に加害者にせぬため今何をすべきだろう
でも被害者に加害者なったなら徒涙流し祈るのみか
其の祈るべき神の違いが被害者と加害者とに分けたのに
太古より受け継がれし聖火が燈る鮮やかに艶やかに
更に古い全てを焼き払う火が点る残酷に惨たらしく
液晶画面を眺めながら今のわたし個人にできるのは
TVもPCもiPodも電源を落とし暗く静かに一人きり
我が身可愛さに浸るのみ
誰が為とも知らず誰が為でもなく誰が為にもならず誰が為など考えず
明日着る服に頭を悩ます
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