Monday, February 06, 2006

w涙の数は……

千の辛さを千の涙で受け止めれば
弱虫と罵られた
百の涙で堪えれば誰にも気にされなくなった
十の涙に減らせば強くて冷たいと謗られた
零の涙で毅然とすれば非人とされ皆から見放された
あの辛さは
その痛みは
この弱さは
如何に処理すれば優しさに変えられたのだろう
幾粒の涙が相応しかったのだろう
強くなくては生きていかれず
優しくなければ生きる資格がないなら
舐めた辛酸を甘露と味わうほど
自分を麻痺させねばならないのか
わたしはただ
傷付きたくない
傷付けたくない
それだけの
強さ優しさが
欲しいだけなのに
日毎増えるのは狡猾と虚言と妄執
この穢れを涙が洗ってくれるなら
幾千も幾万も涙を流そうに
涙落がもたらすのは何時だって同情憐憫お情け乞い
全身の体液を涙に変えて
干乾びればわたしきっとやっと
綺麗になれる
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