w涙の数は……
千の辛さを千の涙で受け止めれば弱虫と罵られた
百の涙で堪えれば誰にも気にされなくなった
十の涙に減らせば強くて冷たいと謗られた
零の涙で毅然とすれば非人とされ皆から見放された
あの辛さは
その痛みは
この弱さは
如何に処理すれば優しさに変えられたのだろう
幾粒の涙が相応しかったのだろう
強くなくては生きていかれず
優しくなければ生きる資格がないなら
舐めた辛酸を甘露と味わうほど
自分を麻痺させねばならないのか
わたしはただ
傷付きたくない
傷付けたくない
それだけの
強さ優しさが
欲しいだけなのに
日毎増えるのは狡猾と虚言と妄執
この穢れを涙が洗ってくれるなら
幾千も幾万も涙を流そうに
涙落がもたらすのは何時だって同情憐憫お情け乞い
全身の体液を涙に変えて
干乾びればわたしきっとやっと
綺麗になれる
この記事を評価する
0 Comments:
Post a Comment
<< Home