鬼も謳う吟う夜
冬の陽射が降り注ぐ白昼の夢から覚めて
夢の中で殺した自分がまだ生きてると気付く
堪らず笑ってる人達を憎む嫌う恨む嫉む妬む
夕暮れ時の風は優しく
夜風はさらに恵み深い
夜啼き鳥
夜哭き鬼
夜泣き人
生き延びたわたしを祝うのか呪うのか
咲く桜
散る桜
踏む桜
死ねないわたしを嘲るのか励ますのか
切り取られたこの屋上の空間で
見えない星を探し
昔聞いた物語を思い返す
希臘の神様
わたしも天に上げてくださいな
綺麗な星じゃなくていいから
この穢れた身体を捨てたいの
腫瘍の悪臭纏い付くわたしは地上の廃棄物
誰の祝いも呪いも要らない
唯この身体から解放されたい
辛い泣き言を聞く相手もいない
こんな世の中は
わたしが汚したの?
わたしが汚れたの?
もう終わりたい
もう眠りたい
もう目覚めず全てを終えたい
唯一の願いを流れ星は無視する
鬼が泣く
鬼が歌う
鬼が笑う
其の声は
嗚呼わたしのものだった
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