Thursday, January 12, 2006

安眠

悲しくて虚しい
死の可能性有と宣告されながら
今日も生命を屠っている
米も小麦も肉も魚も
わたしなんかに食われるため成長したのではないだろうに
まるで夜鷹だ
死に急ぎつつ虫を食う醜い鳥
後二週間でこの苦しみも悲しみも
些細な笑いや慰めも終わるのだろうか
其れを望む自分が
認めたくない自分を
冷たい目で見ている
ドウセオ前ハ死ヌノダ食物ヤ水ヤ空気ヤ薬ノ無駄ダ
絶え間なく囁く声は
死を誘う声の主は
本当のわたしなのか
精神病が生み出した偽者なのか
もう判らない
楽になれと言い聞かせるわたしを
何とかこの世に繋ぎ止める自分が
必死にその現出を抑えている
何時反転するだろうこの
痛みと吐き気では間近な気もする
治療の度に死を願う
こんな苦しみに耐えたって
オペに失敗すれば全てが無駄全部が徒労
なんて虚しい
そして悲しい
あきれるほど晴れた夜でも星は見えない
極彩色のネオンが星に代わり宣託を下す
死ね
ネオンの瞬きはその一言だけ繰り返し
狂った占星術が狂ったわたしを殺す
こんな夜は眠られる
悪夢に魘されて眠る
眠るほど疲れる
睡眠薬が齎す重くて暗い
疲労重ねるだけの眠り
でも其れが生きている証拠
いつか安らぎが来るのかな
それなら生も死も構わない
手に入るなら目一杯苦しもう
唯一つ望む
其れは安眠
赤子のように生も死も気にせず
安らかに眠りたい
一秒でいい
眠りたい

0 Comments:

Post a Comment

<< Home