wLe etranger.
この空はあの国で見た空この風はあの国に吹く風
この海はあの国に繋がり
同じ地球を踏み締めてる
仰向き過ぎて意識は朦朧
懐かしい景色へ想いが滑っていく
優しくも厳しい人々に囲まれてる
現実と夢想が
実在と架空が
無機と有機が
覆う覆る被る
滑落した場所は彼国
誰もわたしを差別しなかった国
世界中からの移民が犇く雑衆国
生粋の住人を探し蹂躙した大地
朗らかに殺戮した余所者共の地
そんな土地に愛着を感じるのは
わたしの中の眠れる殺人嗜好癖
黄色い信号が瞬いてクラクションが鳴る
暫し重なった夢破れ
猥雑な街が展開する
倭でわたしは異邦人
国籍を手に入れても本籍を掴み取っても免許証に記されても
話し掛けてくるのは修学旅行中の中学生
Excuse me, but may I speak to you for a few minutes?
わたしは面倒になる
Watch your language.
と言いたい所だけど
Excuse me, but I must be going now.
に変換して応え去る
わたしは一体誰だ?
わたしは元来何だ?
わたしは生来閏か?
決して善や正に分別されない
いつも悪で邪に差別されてる
其れでも此処にいるのは彼れ遥か場所へ帰るため
帰るには出ていかなきゃならない
だから此処に踏み止まる
帰りたい
願う心は西風に乗り
大陸経て懐かしい国へ届くか
同じ空を見ていても同じ雲を見上げても同じ桜を楽しんでも
此処は異国
わたし異邦人
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