Thursday, January 12, 2006

贈る言葉

このところの記憶欠落は弥増しに激しく
心がどんどん軽くなった
空っぽだ
何も無い
なのに文字というものが情け容赦無く過去を暴き
自分の恥部を見せ付ける
積もり積もるスケジュールノート
読んでいると実に多くの別れを
わたしは体験してきたらしい
書き残された沢山の贈る言葉
恩師から医師から弁護士から
当時は心に響いただろう言葉
今眺めれば
背に火を点けるような叱咤と
押し付けに近いような激励が
わたしの過去を埋め尽くす
何処を探しても欲しい言葉無く
虚しさのみ募る音を言葉にして意味を含ませる
人間ってのは
どんなに尊い贈る言葉より
憐憫混じりの返す言葉こそ
真に欲しがるのではないか
今のわたしはまさにそうだ
山ほどの贈る言葉より
返してくれる言葉が欲しい
寒いねと呟いて寒いよと応える
わたしを否定しない誰かの言葉が欲しい
自律神経が迷走し始めて幾年か
思い出せないのは恩恵と思うが
過去のわたしを固めて縛る数多の贈られてきた言葉達
今は何の意味も無い
心には何も響かない
そういえばわたしも
贈り続けるばかりで返したことは無かったようだ
何故そんなに苦労するの
何故そんなに欲しがるの
何故そんなに死にたいの
数も時も知れぬ問い
一度も応えていない
宙に浮いた問い掛け
締め出した問い掛け
だから今こんなにも寂しいのだ
自業自得の孤独
其れも直ぐ忘れる
幸か不幸か知らない
どんより曇った白秋の空の下
一つ覚え
一つ忘れ
一つ知り
一つ失い
寂寥重なる
文化の日

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