Thursday, January 12, 2006

自由民権

政府国憲ニ違背スルトキハ
日本人民ハ之に従ワザルコトヲ得
幕末の動乱を経て
明治の安寧を問う
今なお受け継がれる日本国憲法起草私案
日本国国憲按の一節
其処からには
自由は自ら勝ち取るものという
近代民主主義の精神が滲み出る
誰もが身分制度に屈していた時代を打ち崩し
開国してやっと掴んだ自由
其れが今また揺らぎ始める
国際社会屈指の平和憲法から
不戦の血脈が破れて流血する
旧仮名遣いの美しい法文こそ
戦後に高度成長を支えた根本
わたし達が生まれ出た頃には当然となっていた自由を掴む
祖父母達の血に塗れた手腕が
齧られて細く痩せた向う脛が傷付き血を流そうとしている
政府国憲ニ違背セバ民従ワザルコトヲ得
血を吐くような自由への渇望
叫ぶ声が魂が
今現代には無い
政府が憲法に違背したとき即ち恣意の侭
改憲したとき誰が立ちはだかるだろうか
誰が従わず戦うのだろうか
誰もがきっと無関心であり
誰しも疑わず従うのだろう
当然となった屑滓と化した自由民権運動
蹂躙されるほどにも関心をもたれないで
捨てられもせず忘れられていく
気が付けば戦争の只中
昔あった憲法第九条を皮肉る川柳が流れよう
独裁者内閣総理大臣は九条二項に基づく力で
最高指揮権者として自衛軍を保持し操る
旧憲法が否定した交戦権を振り翳し
日本は再び世界の舞台に立つ
高々星条旗の下に日の丸をぶら下げ
嘗てあった自由の意味をも見失い思い出せず分からず
命令通り血を流す
タガタメの自由民権

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