Thursday, January 12, 2006

希望の帰途

ふらり出た一人旅
寝所も決めない旅
頼りのない迷走旅
バイクだけが支え
バイクに凭れ眠り
バイクに跨り走る
こんな女死んだっていい
自暴自棄が先走る
時速百三十キロで地道を徒に走らす
其れでも
道は優しく
風は慈しみ
空は見守り
雲は流れて
月は照らし
星は囁いた
この地上の全てが捨て鉢なわたしを包んだ
都会の片隅に潜む草花が
アスファルトに舞う砂が
ネオンに歪む星明かりが
行くべき方角を詳細示し
回すべきアクセルを整え
ギアチェンジを援助した
この狭い日本の中で本能のままに走った積りが
いつしか知った人々に出会わせてくれた
不明瞭な記憶の中で話しかける声と顔が
辛い現実と一致して
懐かしさへと変えた
久しぶりだ元気ないねコケるなよ
乱暴な歓待は確かに覚えのあるわたし自身の過去だった
過ぎ去りしとき
今在る現
未だ来ぬ先
パズルのワンピースでしかなかった愛しい思い出達が今
現実の形をとり質量を有し現れた
失くしかけたもの
無いと諦めたもの
空だと決めたもの
全てが今此処に在る
触れ見て嗅ぎ感じる大いなる感謝と慈悲
わたしは確かに存在した
今もなお此処に在るのだ
恐らくは明日も在るはず
自己を否定したのは自分自身
誰でもないのに誰かの所為にしてた
誰かを責めて楽をしてた
もう止めよう
この一人旅は決して一人じゃないと気づかせてくれた
絶望から出発したわたしは希望を土産に帰途に付いた
帰る場所が在る
其れがどれだけ尊いことかやっと分かった
そして絶望の果てにしか真の希望は見えないこともやっと分かった
中途半端な失望では其の場凌ぎの慰めしか見えない
とことんどん底まで絶望しよう
其の向こうには
敗者だけに見える真新しい希望の光が在る
少なくともこの国では
一人ではない
一人はなれない
孤独を気取っても憩いが待ち受けてる
さあ帰ろう
何処にでもいいから待つ人がいる
其の場所へ

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