Friday, January 13, 2006

wかごめかごめ

昔々浦乃島子なる者在り
流れ着きし虚ろ船より
見知らぬ女見たり
女通りすがりの子等に甚振られ
島子其の女五文で買受り
女篭目成す虚ろ船に入り
島子を持て成せり
島子其の楽に酔い
時を忘れ親を忘れ飲み明かす
酒に飽き腹満ちてふと母を思い出す
如何にか過ごしおらるるか
我斯様なる贅を尽くし肥え太り歌い踊り
何をか今為さん也
虚ろなる時を離れ
島子物言う
帰らむと
女まやかしの箱取りて述ぶ
再びの逢瀬には此れが箱閉ざし持ちたれと
島子頷き船を出る
天女篭目負う下僕に送らせる
いざ哉其処に見しは
見慣れし景色何処にも在らず見ず知らず
人は冷たく天孫の御世も移りけり
嘆き悲しみ島子
預かる箱を岩に落とし
湧き上がる煙に巻かれ
経し春秋に身を変える
心安くと下僕申す
煙立ち篭目成す甲羅に入れ
然れば時満ち地果てし頃
再び向え参らむ
島子腰折り背曲げ
篭目模様の箱に入る
其の際告げしは
彼は入る世に伝うれ
甲羅負う下僕その任も負い斯様な童歌世に伝う
かごめかごめ籠の中の鳥は
いついつ出やる
よあけのばんに
鶴と亀が滑った
後ろの正面だれ
両端を読めば伝わる
かはいるよにつたうれ
島子の願い
虚ろ船の呪い
篭目篭目
甲羅負う下僕亀と変じ万年の寿命を伝道に費やす
悲しきかおかしきか
今もなおこの世に歌う
かごめかごめ
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