wrm宇宙船ペペペペロン
宇宙船ペペペロンは旅に立った
滅亡に瀕した地球の希望だった
二十五人の子供を乗せて遠くへ
遥か彼方アンドロメダへ向った
十二人の女の子と十三人の男の子が
二十四個しか冷凍睡眠カプセルの無い船にいた
活発な子は大急ぎでパートナーを見つけ手を繋ぐ
泣き虫ロンは一人きり
食事も睡眠も独りきり
でもまだ希望があった
新しい女の子が生まれれば
その子と対を成し手を握り
未知なるアンドロメダにて
再びの人類繁殖の源となる
けれどアンドロメダは遠く
冷凍睡眠無しには辿り着けない
だから皆は共謀した
ペペペペロンの外壁に傷ができたと
男の子全員が外に出た
ロンだけは船尾を調べるよう頼まれ
ロンは怖々船尾へ向った
ロンを残しドアは閉まった
凄まじい炎噴きペペペペロンは再び旅立った
引き返せない永遠の旅路
往く中では
仲良く幼い男女が愛を確かめ合って
何時終わるとも知れない冷凍睡眠に就いた
独り残されたロンは一人ぼっちで彷徨う
何処を探しても仲間はいない
否仲間は最初からいなかった
邪魔者ロンは気が付いた
泣き虫ロンは気が触れた
遠い旅路を遡る
懐かしい地球は遥か彼方
ペペペペロンも遥か此方
背負う酸素ボンベが尽き
気の違ったロンは安らいだ
懐かしい地球は遥か彼方
懐かしい地球へと降る星
懐かしい地球にロンの星は降る
光が地球に届く頃
懐かしい地球には誰もいない
ロンの光を見るものはいない
泣き虫ロンは遥か彼方
星になっても一人
光になっても独り
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