Sunday, May 21, 2006

wrええやんか生きはったら

まあまあ遠くから良う来はったなあ
いうても此処にはお茶もお菓子も座布団も無いで
此処にあるんは
自殺未遂の生き恥曝しの見世物小屋
寄席には針の筵
垂れ流すはうちの毒含んだ言葉ばっかや
ゆっくり休んでいかはれとは決して言われへん
せやけど此処は
悪口罵詈雑言喚き散らすにはうってつけやで
精精ぶち撒けて行かはれ
何やあんた足血塗れや
如何したのや胸元はゲロこびりつけて
あんた血反吐の塊やな
疲れたろ
親の顔見るのも怖い
外に出るのが恐がい
他人と良う話せやん
朝寝て夜起きる生活
電子レンジの音さえ憚って冷凍のピザ其のまま食うんか
道理で青い顔しとるな
生きとるだけで迷惑な存在やと自分で言うんか
良う分かっとるやんか
誰かに構って欲しくてリスカ繰り返すも自殺する勇気は無い
親の金で行かせて貰ろうた学校も殆ど欠席
其の嫌ったらしい学校折角出たんに何処にも勤めに出られへん
結局は家族に囲まれ家族を怖がり家族に守られ家族を疎い
夜中にのそのそ起きては電波に頼る友人とお遊びか
ええ身分やなあ羨ましいわ
うちは親をあんまり知らんで
そう睨むなって全部自分で言わはった現実やんか
せやけど真実は違うもんやで
今はそうやってこの針の筵も心地良う仰臥しとるが
残酷にも春は来る
春が来れば勢い良く筍があんたの身を貫くで
同じ勢いで血潮が噴き出す
そしてあんたは始めて自分の血を舐めるのや
出血で気が遠くなって手足が冷とうなって
初めて生きとると実感するやろ
其のときにやっと分かる
自分が本当に生きたいのか死にたいのか
今のあんたは死んどらんいうだけの骸や
肉と一緒に魂も腐るで
今はまだ腐っとらんわ
せやかて自己嫌悪してはんのやろ
何度しくじっても血管切っとんのやろ
生きとる証拠考えとる証拠足掻いとる証拠死んどらん証拠
ほら今あんたの背中に若竹が突き刺さった
もうすぐ胸を突き破るやろ
血飛沫が見事やろな
うちは此処でのんびり見とったるわ
あんたは必ず血を止めようともがき
きっとやっと自分の意思で起き上がる
自分の手で自分に開いた穴塞ごうとする
失った血を取り戻そうと草や虫や獣を食う
そして生き直せるのや
遅くない全くまだ間に合う若過ぎる
世を嘆くにはあんたまだまだ苦労知らずやわ
うちかて知らんけどな本当の世間の鬼なんて
多分誰も知らんとちゃうんか
自分が苦しいと思うたら其れが生きた証やで
胸張って血流して反吐垂れて進みなはれ
うちからは二言だけ
生きなはれ
せやないと死ねへんで
生きてもおらんもんが如何って死ねるかいな
次の一言
ええやんか生きてはっても
死んだって誰も悲しまんし何も変わらんなら生きとったってええやんか
ちっぽけなもんや人間一匹なんて
けど一息毎に必ず空気中の微生物を胃酸で溶かして殺しとる
誰もが毎日何かを殺して生き延びとる
其の責任は重たいで
其の分だけは生きようや
其の分だけでええ
生きとれば必ず悪いことがある
生きとるからって良いことがあるとは限らん
死んだって同じや
ならええやんか生きてはったら
なんやお茶の代わりに毒飲ましたみたいやな
此処はそういう場所
寂しいもんが心寄せ合う優しい場所やない
弱いもんは食われる場所や
もう行かはるか其れがええこんな所留まるもんやない
血と一緒くたに頭と胸の腐汁もぶち撒いたようや
すっきりしたええ顔してはるで
そのまま血糊と反吐を引き摺り歩いて行きなはれ
きっともっとずっと強うなって生き直せる
ええやんか生きなはれ死ぬまでは
もう聞いてへんな
其れでええ其れがええ
うちは動けるようになるまで此処で血流しとるわ
見捨ててさっさと行きなはれ生きなはれ
ご多幸を祈っとるで遥かにな
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